
さよならヘルパーさん CASE1【前半】
あなたはどんな時に解雇を考えますか?
契約満了・ヘルパーさんが突然帰りたいと言い出した・重要なハウスルールを破った…
このコーナーではさまざまな別れのドラマをご紹介します。
CASE1【前半】フィリピン人ヘルパーさん 雇用期間:3年半
我が家のヘルパーさんとはもうかれこれ3年半のお付き合い。フィリピン人、既婚、子供5人、35歳。
私と出会う前はシンガポール人のシングルマザーが雇用主で、9歳の男児の面倒を2年間見ていたそうだ。仕事も早く勘もよく、子どもたちとも良い関係を築いており、信頼していた。毎年夏には我々と一緒に日本に2ヶ月ほど滞在しており、どこへ行くにも一緒で家族の一員のような、頼れる存在だった。
日本滞在中はフィリピンに残した彼女の家族のために洋服やチョコレートなどの食品をたくさん箱に詰めて送ってあげたり、バースデープレゼントにディナー、ボーナスやお小遣いも頻繁に渡すなどして常に感謝の気持ちを形にするように心がけていた。
日本から帰ってきて数週間経った頃のある朝、あまりにも騒がしいのでダイニングルームへ行ってみると彼女の姿がない。乳児を含む子供が3人いる我が家の朝は慌ただしく、少しでも目を離せば大惨事になりかねないのだが、そこに彼女の姿がない。まさかと思ってキッチンの奥にある彼女の部屋に行ってみると携帯電話を触っており、私が覗くや否やパッと後ろに隠したのだ。
ーーー実は我が家のハウスルールでは就業時間前後とランチタイムと夕方の休憩時間以外の携帯電話利用を禁止しており、本来は携帯電話を利用すべきタイミングではないのだ。彼女はそれを重々わかっていたからこそ咄嗟に隠したのだろう。これまでも彼女に全く問題がなかったわけではないが、携帯電話については何度も注意しており、特に朝お願いしていたことを放置していたのでついカッとなってキツめの口調で注意してしまった。
「今、携帯電話を使ってたよね?今、使うべきタイミングではないよね?朝は忙しいの、わかっているでしょ?お願いしたこと、できてないじゃない!」
すると彼女はこう切り返してきた。「自分の子どもたちにおはようの挨拶をするのがいけないんですか?」
「ルールはルール。挨拶ぐらい就業時間前に済ませておくべきでしょう?緊急性があるならともかく…」
すると彼女は「これ、良い機会なんで言いますけど私、もう辞めます。半年後の契約満了時には更新しないんで。契約は全うしますがなるべく早めに辞めるって言おうと思っていたんです。ちょうど良いんで今、言わせてもらいますね。」とかなり強気の面持ちで衝撃発言を繰り出してきた。
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