• さよならヘルパーさん
  • 出会いもあれば別れもある。 あなたはどんな時に解雇を考えますか? 契約満了・ヘルパーさんが突然帰りたいと言い出した・重要なハウスルールを破った… このコーナーではさまざまな別れのドラマをご紹介します。

さよならヘルパーさん CASE1【後半】

出会いもあれば別れもある。
あなたはどんな時に解雇を考えますか?
契約満了・ヘルパーさんが突然帰りたいと言い出した・重要なハウスルールを破った…
このコーナーではさまざまな別れのドラマをご紹介します。

CASE1【後半】フィリピン人ヘルパーさん 雇用期間:3年半

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そして聞き捨てならないのが「live-out」の専門業者って何!それ、違法じゃないの?MOMのルールに明記してある通り、ヘルパーはWPに記載のある住所でしか居住・就労できないはず。刑罰(※2)だって相当なものだよ?それを彼女に伝えたけれど「違法なはずはない、友人もけっこうやっている」と断言。エージェンシーの名前をググってみたがホームページにそんな文言はない。きっとアンダーグラウンドサービスなんだろうな。恐ろしい。

さて、彼女は私にとって初めてのヘルパーで、これまでヘルパーを解雇したことのない私は、友人に相談し、次のヘルパーが我が家に来る直前に解雇を告知することにした。朝、上の子どもたちを送り届け、朝食の片付けを終えた頃を見計らって告知、すぐに荷物をまとめてもらい、翌日から1週間エージェンシーのロッジング(※3)に滞在してもらうことにした。通常の契約書にはNotice period、即ちトランスファー期間として2〜3週間を設定しているものが多いと思われるが、彼女には既に次の雇用主がいること、それから可能であれば今すぐにでも辞めたいと言う希望を鑑み、トランスファー期間を1 週間にすると言うことで事前に同意を得てあった。その間に次の雇用主へトランスファー手続きをしてもらうのだ。

待ってましたとばかりに意気揚々と荷物をまとめる彼女、一方の私は悔しさとムカムカとなんとも言えないセンチメンタルな気持ちが入り混じっており、ふと気がつくと涙を堪えていた。下の娘を抱っこ紐で抱え、彼女の大量の荷物をヘルプしながら3人でタクシーに乗り込み、MRTのLavender駅近くのHDBにオフィスを構えるエージェンシーへ向かった。着くや否や挨拶もそこそこに担当者からリリースペーパーにサインするよう促され、いよいよお別れと言う時についに涙が溢れてきた。何も知らない娘は抱っこ紐の中でニコニコしているが、それで良いんだと私は自分に言い聞かせていた。だってそのために上の2人を学校に送り出してから荷物をまとめさせ、涙の「お別れ」をさせずに解雇したのだから。

翌々日、彼女からSMSがあった。当初決まっていた雇用主は「もうこれ以上待てない」と言うことで他のヘルパーに決めてしまったそう。とはいえ既に次の雇用主候補も決まっており、リファレンスレターを求められているため、一筆書いてくれないかと言うことだった。「もちろん良いよ、じゃ明日には用意するね」と返事をしたところ、もう既にエージェンシーが用意してあるからサインだけして欲しいとのことだった。「う、うん。わかった、じゃそれ見せて」と私。

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