• 特別インタビュー
  • ヘルパーさんに関わる様々な方にお話をお伺い致しました。いつもと違った視点からヘルパーさんについて考えてみましょう。

シンガポール外国人労働者の新型コロナウイルス感染に関するインタビュー

皆さまご存知の通り、新型コロナウイルス(Covid-19)が外国人労働者と呼ばれる人たちのドミトリー(寮)を中心に感染拡大しています。日本でも「シンガポールでの爆発的感染」として度々取り上げられています。
&Hは少しでも力になれることがあればと思い、ヘルパーを含む低賃金で働く外国人労働者の支援や擁護を行っているNGO団体”TWC2″と”HOME”で活動されている日本人女性、ミズエさんにお話を伺い、現状をお伝えさせていただくことにしました。
文末で建設現場、公共事業などで働き、シンガポールの生活を支えてくれている彼らのための募金活動もお伝えしています。ぜひご協力をお願いいたします。

※インタビューは4月21日に実施しました。情報は実施日時点のものです。

Q. 外国人労働者とはどのような方々でどのような仕事をし、どのような生活をしているのでしょうか。

 労働者の中で最も多いのはバングラデシュ人、次いでインド人です。中国人労働者の多くは新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、中国へ帰国したそうです。また最も多い職業は建設現場や工事現場で働く人たちです。次に多いのはシップヤード(海運・船関連の仕事)で働く人たちです。清掃やペストコントロールに携わっている人たちもいます。彼らの月給は新人1年目で400-500ドル、経験を積むと1,200ドル程、残業をする人たちは1,500ドルあまりを稼ぐ人もいます。
 彼らの食事や医療は雇用主が責任を持ち、ドミトリーも用意します。ドミトリーの費用を負担する雇用主もいれば、給与から差し引くケースもあり様々です。ドミトリーも色々なケースがあり、運営会社が大人数が住むドミトリーを経営している場合もあれば、一軒家に数人が住んでいるというケースもあります。



APR 6, 2020 The Straits Times Singapore
https://www.straitstimes.com/singapore/two-dorms-declared-isolation-areas-as-virus-cases-hit-new-high

Q. 外国人労働者のコミュニティの中で新型コロナウイルスへの感染が拡がっております。現在、どのような状況なのでしょうか。

 多くの方がご存知の通り、労働者たちだけで5,000人を超える新型コロナウイルスへの感染者が確認されました。本日(4月21日午前)時点でシンガポール全体の感染者数が8,014人だったため、約6割を労働者たちが占めていることになります。特に感染者が多い”S11”と呼ばれるドミトリーには約13,000人が住んでいますが、そのうちの1,977人、およそ15%が感染しています。感染者数は日に日に増加しており、感染者数比率が20〜30%に至るのではないかと懸念されています。
 感染が疑われた場合は、救急車で病院へ行き、検査を受けます。ドミトリーによって異なりますが、同室に12〜20人程度が一緒に暮らしています。感染の疑いが出た人と一緒に暮らす同室者たちは部屋から出てはいけません。実質、SHN(Stay-Home Notice)の状態となります。なお、部屋の消毒は行われていない印象を受けます。彼らの部屋には扇風機はあるもののエアコンはありません。人口密度が高い部屋の暑さに耐えられずヘルプラインに電話をかけてくる人もいます。

APR 17, 2020 THIS WEEK IN ASIA
https://www.scmp.com/week-asia/explained/article/3080466/how-did-migrant-worker-dormitories-become-singapores-biggest


 清掃などEssential(必要不可欠)な仕事に従事する労働者や、高齢でリスクが高い労働者などは別のドミトリーやホテルへ移動しています。またシンガポール政府からハンドソープ、サニタイザー、マスクが無料配給されました。彼らはとても感謝していますが、一方で提供される食事が中華料理だという話を多く聞きます。彼らの多くは普段から中華料理を食べる習慣がないため、口に合わず、このようなミスマッチも起きています。

APR 7,2020 MOTHER SHIP
https://mothership.sg/2020/04/s11-dorm-conditions/

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