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新型コロナウイルス影響下でのヘルパーさんとの過ごし方 有識者アドバイス 4

新型コロナウイルス(COVID-19)の感染拡大の影響から、数週間前よりヘルパーさんは休日を自宅で過ごすようMOM(Ministry of Manpower)から要請を受けています。
またCircuit Breakerによりリモートワーク、ホームラーニングに切り替わり、ヘルパーと雇用主家族が共に自宅で過ごす時間が増えました。
これまでに誰も経験したことのない生活に、ヘルパーも雇用主もお互いに不安やストレスをに感じることが増えるのではないでしょうか?
そこで&Hは、エージェンシーやヘルパー向けの教室を開催されている方など有識者の皆様にご協力いただき、ヘルパーさんと共にこの苦難を乗り越えるための暮らしのアドバイスや過ごし方に関するアイディアを伺いました。

第4回目は、ヘルパー向けモンテッソーリ実践講座 The Bright Life」のオーナー兼講師であるビクトリアさんです。
ぜひ参考になさってください。

休日の過ごし方

シンガポール政府はヘルパーに休日を自宅で過ごすよう義務付けており、忙しい平日の疲れを癒すために休日を利用しているヘルパーにとってはストレスになることでしょう。ヘルパーが不当に扱われることなく十分な休息を取るために、、ヘルパーと雇用主の双方で取り組めることがあります。

明確な境界線を設定する

雇用者とヘルパーの間に明確な境界線が設定されていないと誤解が生じることがあります。雇用主が率先して話し合いを行い、双方が合意した事柄を尊重することが重要です。例えば、家庭によっては、子供の面倒に追われ、家事が疎かになってしまうというご家庭もあるでしょう。このような場合、雇用主はヘルパーに休日出勤をお願いするのが良いでしょう。ヘルパーが同意する場合に限り、休日手当を支払った上で休日に家事を手伝ってもらうことができます。もちろん事前に取り決めていた休日を維持することを望むヘルパーもいます。この場合、ヘルパーは休日に働くべきではありません。どのような取り決めであっても、雇用者とヘルパーの双方が境界線を認識し、誤解が生じないように事前に合意しておくことが大切です。

運動する時間を作る

一日中家に閉じこもるのは非常にストレスフルです。特にヘルパーにとっては緊張と疲労につながります。ヘルパーは、休みの日に外に散歩に出かける時間を取ることをおすすめします。(もちろん政府の指針に則ったソーシャルディスタンスを保持し、マスクを着用するのをお忘れなく!)多くの人が、長時間同じ場所にいると、家族との間に緊張感が生まれ、ストレスが高まると報告しています。ちょっとした散歩に出かけることは、健康を維持するための良い方法であり、また、リフレッシュと充電のための息抜きにもなります。

社会とのつながりを保つ

サーキットブレーカーの期間中、多くの雇用主にとって、家の中には家族がいるかもしれませんが、すぐ側に家族や友人がいないヘルパーにとっては、とてつもない寂しさを感じることでしょう。雇用主は、ヘルパーの国や家族がどうしているかを尋ねたり、ヘルパーの家族側がセットアップできるようであればZoomのようなオンラインチャットサービスに接続してあげることで、ヘルパーに寄り添うことができます。さらに、ヘルパーが将来について不安を感じている可能性があるため、ヘルパーとのコミュニケーションをオープンにしておくことも重要です。ヘルパーの多くは、祖国の家族をサポートするために定期的に送金する必要があるため、サーキットブレーカーの制限下の中でも送金できる方法を話し合っておきましょう。

この時期を共に乗り切る方法

正直でいること

今は情勢が非常に不安定で、多くのフェイクニュースを見かけることもあるでしょう。ヘルパーの中には、フェイクニュースと事実の見分けがつかない人もいるかもしれません。事実はもちろんのこと、彼女が十分に情報を得られるように、政府の最新の措置や制限を共有しておくことが重要です。またこの時期には、政府関係者になりすました詐欺など、新しい詐欺が発生しています。そのような詐欺の餌食にならないよう、ヘルパーに知識を付けるようにしておくことも大切です。
正直でいるということは、ご自身がこの時期にどのように感じているかを知ることでもあります。私たちの多くは、新型コロナウイルス(Covid-19)の状況が悪化するのではないかと心配している一方で、在宅勤務と子供のオンラインラーニングの管理を両立させることにストレスを感じています。ヘルパーがより良いサポートができるよう、ヘルパーにもあなたの懸念について率直に伝えておくことは有効です。また、ヘルパー自身が祖国の家族を心配し、不安を感じている可能性がありますので、雇用主の気持ちを知ることで自らの気持ちに関連付けることができますし、雇用主に心を開くきっかけになるかもしれません。

親切にすること

長期間家に閉じこもっていると、誰でもキャビンフィーバー(※)を感じるようになります。ご自身にも、そしてヘルパーを含めた家族にも優しくしてあげましょう。みんながなんとなく疲れていて、不安定な日には、夕食をデリバリーにするなどして負担を軽減しましょう。また、交代で屋外を散歩することで、家族みんなが新鮮な空気を吸ったり、気分転換をしたりすることもおすすめです。その時の状況や気持ちは人それぞれなので、自分に優しくするのはもちろん、他人と自分が常に同じではないことを肝に命じましょう。

心の準備をしておくこと

この時期、常に最新情報を入手することはもちろんですが、家族の準備も欠かせません。食料などの基本的なものを確保するだけでなく、精神的にも感情的にも準備しておくこともできます。当然ながらポジティブな日もあれば元気のない日もあります。ご自身の気持ちが優れず、ネガティブになりがちな日もあるかもしれません。それは家族みんな同じです。配偶者も在宅勤務の新しい業務のプレッシャーで疲労を感じているかもしれません。ヘルパーは休日がないことで疲れを溜めているかもしれません。子供たちは、屋外に出て目一杯体を動かすことができないことでイライラを感じているかもしれません。これらはすべてのストレス過多時における普通の反応です。Covid-19の状況を共に乗り越えるためには、これらのネガティブな感情に直面しても心の平穏を保ち続けられるよう予め備えておくことが良いでしょう。

自宅でできるアクティビティ

ハンティングゲーム

紙とペンだけで、子供たちのためのハンティングゲームの準備ができます。年齢に応じて、色や形などのテーマを選択し、家中から探す出すシンプルなゲームです。低学年の子供には「赤」や「四角いもの」、高学年の子供にはもっと難しいもの、例えばアルファベットの「L」から始まるものを探すだけの簡単なルールです。

生活の中で実践できること

サーキットブレーカー中は子供たちが自分たちの生活環境をより深く知り、関わる良い機会です。掃除機をかけたり、モップをかけたり、洗濯物をたたんだり、食事を作ったりするヘルパーの毎日の家事に子供たちを参加させましょう。この時期に新しいルーティンを作ることも可能です。また今私たちが直面している問題や世界で起きていること、全ての人にとってストレスの多い時期であるということを子供たちに説明し、彼らが外出する際、また学校の再開時にかかる余分なストレスを軽減させるようにしましょう。

・家の中でもできる運動

子供にはエネルギーが溢れています。それをしっかり消費させてあげる必要があります。私が考える最良の方法の例として、家でミニ障害物コースを作ったり、かくれんぼなどのゲームをしたりすることが挙げられます。また、オンラインで簡単にできる無料のダンスやヨガのクラスもたくさんあります。適度な運動をすることは子供の感情を調節したり、ストレスを軽減する効果もあるため、1日に最低30分から1時間は運動の時間を取り入れるようにしましょう。

(※)キャビンフィーバーは、屋内に長期間閉じ込められることによって生じる閉所性発熱、ストレス、イライラなどの精神不安を指す

THE BRIGHT LIFE
保護者やヘルパー向けにモンテッソーリ講座を行っているTHE BRGHT LEFEのオーナー兼講師・ビクトリアさん
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