
壁 - 教師の私 駐妻の私 – 【第11話】
【前回までのお話】 第10話はこちら
観光大国であるシンガポールに暮らす人々の生活を垣間見た由貴子。切迫流産で自宅安静中の姉に代わりエージェンシーに行くことになり、ヘルパー雇用について美子から色々話を聞くのだが…
観光大国であるシンガポールに暮らす人々の生活を垣間見た由貴子。切迫流産で自宅安静中の姉に代わりエージェンシーに行くことになり、ヘルパー雇用について美子から色々話を聞くのだが…
「うーん、前の雇用主の家族構成を見るとどんな働き方をしてきてたのかが想像できるかな。一応バイオデータっていう履歴書みたいなんがあるんやけど、そこに載ってるスキルとかは自己申告やから雇ってみて『あれ?バイオデータにはできる、って書いてたけど?』っていうケースもないことはないで。
リファレンスレターっていうのがついてたりするんやけど、契約満了してない場合は理由をそこで確認できるし、たまに自分の連絡先とか載せてる前の雇用主とかもいるからそういう人とはコンタクトとってどんな働きっぷりやったかを聞くこともできたりするんよ。どういう理由で辞めるに至ったかは知っておいたほうがいいかも。
あと、みんなけっこう雇ってから気づくんやけど、例えば勝手に自分であれこれ仕事見つけてやってくれるヘルパーさんと、言われたこと以外はしないヘルパーさんがいて、それぞれに合う人、合わない人がおるねん。当たり前のことやと思うやろ?でも意外と自分がどっちかわかってないパターンが多かったりするんよ。雇ってみて初めて “あ、私勝手に色々やられるのイヤなんやわ” って気づいたり。 "自分で色々やってくれる人の方が仕事できそうやから" って選んだけど我が強すぎて雇用主の方法ではなく何回言っても自分のやり方を変えない、とかね。そういうの、事前にわかっておいたら『こんなはずじゃなかったのに』っていう大前提は避けられるんちゃうかな」
「やっぱり自分のことを客観的に見ることって難しいですよね。お姉ちゃんの代わりにある程度まで私が選ぶの、けっこういい方法なのかも」
「そんなパターン見たことないからなんとも言えんけど、もしかしたらアリなんかもね」
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