• 小説 壁 - 教師の私 駐妻の私 -
  • 夫のシンガポール駐在に帯同するためにキャリアを諦めて来星した主人公・奥野 貴美子。慣れない子育てと初めての海外での専業主婦業により、今までの生活とは全く違う生活に自分自身の存在価値を見失いかけていた。そこで夫から提案されたヘルパー雇用という道。奥野 貴美子はヘルパー雇用を通してどう変わっていくのか。

壁 - 教師の私 駐妻の私 – 【第12話】

【前回までのお話】 第11話はこちら
姉の代わりにエージェンシーに出向くことになった由貴子。道中経験豊富な美子にヘルパー選びのコツを教わり、姉の希望である「経験の浅い若い子」を探してもらうことにしたのだが…。果たして本人ではない第三者がヘルパーを選ぶことは可能なのか。

「じゃあそれで話を進めるわよ。バイオデータで絞っていくと…。年齢の希望はある?シンガポールのルールで23歳以上じゃないとヘルパーとして働けないのよ。最低年齢の23歳の子もいるけどどうかな?
あ、ミャンマー人の年齢詐称が話題になってた時期もあったけど、ウチはちゃんとしてるから安心して。業界全体もだいぶ改善されてきてるし。で、ヘルパー経験は無し、と…。本当にいいのね?」

「ははは!未経験者ってよっぽど大変なんですね!いいです、未経験で!私が雇うんじゃないんで!」

「ははは!わたしが雇うんじゃないんで、って!確かにそうやけど!」

「えーっと、じゃあとりあえずこの3人のビデオ見てみる?3人ともヘルパー歴なし、23歳」

「はい!ぜひ!」

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