
さよならヘルパーさん CASE 4-2
あなたはどんな時に解雇を考えますか?
契約満了・ヘルパー(メイド)さんが突然帰りたいと言い出した・重要なハウスルールを破った…
このコーナーではさまざまな別れのドラマをご紹介します。
CASE4-2 フィリピン人ヘルパー(メイド)さん 雇用期間:2年
Case4-1はこちら
【ジョディへの手紙】
ありがとうね、ジョディ。
あなたといるといつも家の中が明るくなる。
お兄ちゃんと口喧嘩ばっかりしてるけれど、超しつけに厳しかったりするけれど。
あれ?この人、私の息子の母親だったかな?って思うことも度々だけど、それだけ私たちの家族に溶け込んでくれているってことだよね。
もうすぐ契約が満了。
あまり感情を表立って出さない私だけれど、やっぱりいろいろ思うところはあって。
でも寂しいって言ってしまうとそればかりになってしまうから、あなたがいつもそうしているように、私も最後の日まで笑顔でいるね。
2年間、いろんな事をしたよね。
日本にも一緒に行ったし、あなたの出身地、フィリピンのセブ島にも行った。
お互いの家族を紹介しあうことで、より一層あなたとの距離が縮まったような気がするよ。
セブのあなたのご実家の生活を見せてもらって正直、度肝を抜かれたわ。
まさか、キッチンが屋外だったなんて。
来客のためのBBQかと思ったら日常的に焚き火でご飯を作っていたのね。
家族みんなでおもてなしをしてくれたことも、とってもいい思い出。
次から次からわらわらと色んな人が現れて、結局誰が誰だったのか。
でもみんなとっても温かくって、みんなあなたと同じように大きな口を開けて笑ってた。
フィリピンに行くって決めて、あなた張り切って大きなスーツケースを破格で手に入れてきたよね。
すっごいドヤ顔で「これならいっぱい入ります!どんだけでも入ります!どんどん入れましょう!いっぱいお土産持って行きましょう!」ってギュウギュウ押し込んで、セブに着いてバラッバラに崩壊したこと、私忘れない。
買ってきた時のあなたのドヤ顔も、散乱したお土産たちも、崩壊したスーツケースを眺める唖然としたあなたの顔も。
日本に帰るから冬服を買いに行こうか、ってラッキープラザに買いに行った事もあったよね。
8ドルのセーターを5ドルに値切ってこい、っていう私のリクエストに見事に答えてお目当てのセーターをちゃんと値切ってきたよね。
あの一件で私、”この人はやっぱりデキるヘルパーさんだわ”って再認識したわ。
あなたはどんな風に思っていたのかわからないけれど。
子どもたちの教育にも熱心だった。
特に下の子とは生まれて退院した翌日からずーっと一緒にいるもんね。
あなたは自分の子のように接してくれる。
息子があなたに懐く姿に少し嫉妬もしながら、でもそんな不思議な関係が心地よくて。
ベビーと一緒に寝てくれているあなたは、目の下にクマを作りながら「最近夜泣きがひどいんです」ってガハガハ笑い飛ばす。
授乳の度に起こされる私も寝不足で辛かったけど、あなたのそんな姿にどれだけ助けられたか。
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