• さよならヘルパーさん
  • 出会いもあれば別れもある。 あなたはどんな時に解雇を考えますか? 契約満了・ヘルパーさんが突然帰りたいと言い出した・重要なハウスルールを破った… このコーナーではさまざまな別れのドラマをご紹介します。

さよならヘルパーさん CASE 5 

出会いもあれば別れもある。
あなたはどんな時に解雇を考えますか?
契約満了・ヘルパー(メイド)さんが突然帰りたいと言い出した・重要なハウスルールを破った…
このコーナーではさまざまな別れのドラマをご紹介します。

フィリピン人ヘルパー(メイド)さん 雇用期間:2か月

2人目ヘルパーを雇用した経緯

私が2人目のヘルパーとして雇ったのは1人目のヘルパーの実妹だった。彼女との出会いは1人目のヘルパーのフィリピンの実家を訪れたとき。その時はまだ彼女を雇うとは露ほどにも思っていなかった。
なぜなら彼女はフィリピンで英語の講師として働いていたから。

1人目のヘルパーは最初に契約した時から2年で帰国することが決まっていた。そんな彼女が自分の後継者に実の妹を推薦してきた。理由は私の息子に英語を教えたいから。フィリピンで英語の講師として働いていた自分の妹なら言葉を話し始めた息子にはうってつけだと言う彼女の言葉を信じ、雇用を決めた。

私は1人目のヘルパーの実妹である2人目のヘルパー・ジルを直接呼び寄せることにした。フィリピンでのトレーニングフィーも私がローンを肩代わりする形で支払った。フィリピンのレートなのでそこまで高額ではなくNewのヘルパーを雇用するよりは安く済んだが、私が個人的に呼び寄せたということでリプレイスなしという条件で1人目のヘルパー雇用の際にお世話になったエージェンシーを介して彼女と契約を結んだ。

1人目の帰国のタイミングと2人目の来星のタイミングを調整し、1週間ダブルヘルパー体制で引継ぎなどを行ってもらった。結果的にジルを2か月で解雇することになるのだが、ここではなぜ解雇に至ったのかを話していこうと思う。

2人目ヘルパーのキャラクター、1人目との違い

ジルはよく言えば天真爛漫の天然ガール、悪く言えば空気の読めない自分勝手な子。
フィリピンには息子と彼氏がいる。先に述べたように彼女はフィリピンで英語の講師として働いており、きれいな英語で子どもたちに接してくれるのはとてもありがたかった。

ジルは彼女オリジナルの教材を作成し、子どもたちに英語を教えてくれていた。どうやら彼女は英語を教えた分はお給料に上乗せして支払われると思っていたようで、初月のお給料日に「?」と何か言いたそうにしている姿を見て「ヘルパー業務もおぼつかないあなたに追加で何かを支払うわけにはいかない。まずはヘルパーとしての仕事ができるようになってから考える」と伝えるとその後から英語を教えることはピタッとなくなった。そしてわかりやすいと感心するぐらいに私に対する態度も悪くなった。

今思えば彼女はヘルパーとしてお金を稼ぎたいからシンガポールに来ていたわけではなく、ワーキングホリデーのような、住み込みの英語の先生という気持ちで来ていたのかもしれない。彼女の中では英語を教える事以外のことはオマケだったのだと考えれば過去のいろいろなことの辻褄が合うような気もする。

1人目のヘルパーが完璧だったのかというとそういうわけでもない。彼女は英語があまり得意ではなく、そんな彼女の英語をマネする息子を少し心配していたし、次男を可愛がるあまり長男とはお世辞にもよい関係とは言えなかった。

実際2人目のヘルパーが来てからの方が家の中の雰囲気は良好だったし、未だに長男は1人目のヘルパーのことを「怖い」と言い、2人目のヘルパー・ジルのことが大好きだ。あんなに1人目のヘルパーになついていた次男もジルが来た次の日からもう「ジル、ジル」とすっかり1人目のことは忘れてしまったかのように見えた。

ジルはとてもおしゃべりが好きで、彼女は空気を読まず彼女がしゃべりたいタイミングで私に話しかけてきた。夫と団らん中の私に「今からウンチしてきまーす」とわざわざ報告してきたり「マム、もうすぐ生理でしょ?」と言ってきたりと全くデリカシーのない言動に、初めは”変わった子だな”とやり過ごしていたが、だんだんそれも苦痛になってきた。

ジルは1人目のヘルパーの実妹なので、”家族ぐるみでいい関係でいられたら”と思っていたが蓋を開けてみると1人目のヘルパーと年の離れたジルの仲は悪く、口を開けば1人目のヘルパーである姉の悪口ばかりだった。悪口を言っていると感情がコントロールできなくなるのであろう、食後の家族での団らんの時間に彼女はよく泣きながら皿を洗っていた。

関連記事一覧

  • コメント ( 0 )

  • トラックバックは利用できません。

  1. この記事へのコメントはありません。