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FDW(ヘルパー・メイド)と雇用主が互いに尊重し合う関係にみんなが注目している理由 Commentary: Why a respectful relationship between foreign domestic workers and employers is in everyone’s interest

不明瞭な期待値

FDWの仕事の性質を考えると、心理的契約を理解し、その侵害が雇用主とFDWの雇用関係の崩壊へどのようにつながるかを理解することで、早い段階で悪化の兆候を発見できるだけでなく、お互いに言動や意識を改めることができる。
一般的な組織における雇用主と被雇用者の心理的契約と同様に、雇用主とFDWの間でもお互いの義務や相互利益についての理解や解釈が異なる可能性がある。

例えば、FDWは一日中家事や介護の仕事をしたことによる相互利益のひとつとして、夜間に十分な休息(6〜8時間)があると認識しているとする。エージェンシーから休み時間や休暇に関する取り決めについて説明を受けたとき、または他のFDWとの会話の中でこのような期待が育まれた可能性がある。
一方で雇用主は、特に家族に障がい者、高齢者や乳幼児がいる場合は、FDWが一晩中業務にあたることを期待している可能性がある。つまり雇用主は、FDWが夜中に乳幼児のおむつを変えたり、ミルクを飲ませたりすることを期待しているかもしれないのだ。
FDWは、これらの雇用主が期待した職務は義務を超えたものと認識し、自分の権利が侵害されていると認識する可能性があるため、職務を十分に全うできないことも考えられる。一方で、雇用主は職務上の義務と考えていることをFDWが遂行できなかったと認識し、FDWの夜間の介護業務の遂行能力が低いと感じるかもしれない。

これにより、FDWが労働の質の低さに対して叱責されたり、さらに悪いことには、携帯電話の使用など、他の福利厚生を失うことも考えられる。そして時間が経つにつれ、雇用主とFDWの間の暗黙の心理的契約を侵害したのは相手だと思い込み、さらに事件が繰り返されることで、雇用主とFDWの関係が負のスパイラルに陥る可能性がある。

このほか、休日に出かける前に家事を行うのか、帰宅後に家事を行うのか、また、食事の量や種類などがきっかけになることもある。

オープンなコミュニケーションと信頼を築くことで絆が強まる

信頼は、人間関係の負のスパイラルに対する防波堤とも言える。研究によると、社会的関係における信頼は、お互いに対する言動に影響を与えることがわかっている。雇用主とFDWがお互いに信頼し合うと、意図や行動について否定的な想像を巡らせたり、不要な詮索をしたりすることが少なくなる。
また、心理的契約の侵害があった場合でも、良好な信頼関係にある雇用主とFDWは、お互いに否定的な反応をする可能性が低くなる。

CDEは、雇用主とFDWが明確なコミュニケーションを取り、お互いの義務や権利に対する思い込みや不明瞭な期待を減らすことが、信頼関係を構築する最善の方法であると考えている。これは、雇用主のニーズが変化した際に特に重要になってくる。

職務内容や範囲が変わる際は、雇用主はFDWに対して明確なコミュニケーションを取り、FDWがその変更に対して心理的契約違反と感じないようにすることが非常に重要だ。
雇用主とFDWは、オープンなコミュニケーションを常に心掛け、お互いの心理的契約が何であるかを明確に理解する方法を見つける必要がある。これは、雇用主とFDWが、お互いに利益をもたらす強力で持続的な雇用関係を築くことに役立つであろう。

Centre for Domestic Employees(CDE)エグゼクティブディレクター、Shamsul Kamar

Source: CNA/sl

 【これは元記事を抄訳したものです】 
https://www.channelnewsasia.com/news/commentary/maids-foreign-domestic-workers-rules-chores-relatives-homes-chil-13220346?fbclid=IwAR2O3Q78fLM6wyhx6oLixrYL45D3YHaGHTj7LojfPrXFywZDqpM8dkSzVLI

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