
コロナ禍におけるヘルパー(メイド)採用に関するインタビュー 第2回
新型コロナウイルスの影響を受け、シンガポールのヘルパー(メイド)の雇用環境に日々変化が起きています。
フルタイムの共働きだからこそヘルパーが必要。赤ちゃんが産まれたけど、両親の助けを得ることが難しい。産褥アマさんが見つからないからヘルパーを雇用したい。サーキットブレーカー(外出自粛期間)中に子育てと家事の限界を感じてヘルパーを雇用したくなった、あるいは一緒にいる時間が増えたせいで今のヘルパーに対する不満が募り新しい人を迎えたい….など、様々な理由によりヘルパーを雇用したい人がたくさんいらっしゃいます。
しかし、シンガポール政府はシンガポール市民のヘルパー雇用を優先していたため、外国人雇用主に対してはしばらくの間、特別な理由がない限り雇用申請の承認が下りませんでした。
それが最近になり状況が変わり、承認が下り始めた模様です。
そこでシンガポール政府より雇用の承認を受けた方々にご協力いただき、お話をお伺いしました。
家族構成や保有ビザについてお伺いさせてください。
私、主人、5歳の長男、1歳の長女の4人暮らしです。私も主人も共にEP(Employment Pass)ビザを保有し、フルタイムで働いています。
これまでヘルパー(メイド)さんを雇用されたことはありますか?
これまでフィリピン人のヘルパーさんを1人、4年半ほど雇用していました。まだコロナの影響が大きくなる前の2020年2月ごろにヘルパーさんよりフィリピンに帰りたいという申し出がありました。フィリピンに住む彼女のご主人が体調不良により手術を受ける予定があり、術後もしばらく付き添いたいため、一時的な帰国ではなく、我が家を辞めてフィリピンに帰りたいとのことでした。とても良い方で残念な気持ちもありましたが、新しいヘルパーさんを探し始めることにしました。
しかし、実際は突然彼女のお母様が2020年の4月に急遽亡くなり、そのタイミングでフィリピンへ本帰国することになりました。
次のヘルパーさんはすぐに見つかりましたか?
2020年の2月に雇用中のヘルパーさんを雇ったエージェンシーを訪問し、面接をしました。その際に子どもたちにとても優しく接してくれて、前の雇用主の子どももとても可愛がっている様子が伺えたヘルパーさんと出会い、彼女を雇用することに決めました。
我が家は小さい子どもがいるので、子どもが好きなこと、ヘルパーさん自身に子どもがいることが必須条件でした。加えて重視していたのは、これまで働いた雇用主との契約を満了しているかどうか、また満了していない場合はその理由が納得いくものかどうかです。
また円滑なコミュニケーションを英語で取りたいため、英語が得意なフィリピン人の優先度を高めました。正直なところインドネシア人は宗教上の理由により豚肉が食べられない、勤務時間中にお祈りの時間を希望する人がいるので優先度は低かったです。
雇用を決めたヘルパーさんは我が家で働く前に、フィリピンに一時帰国することが決まっていました。一旦シンガポールから出国すると、シンガポールで一度働いたことがあるヘルパーさんを彼女たちの自国より呼び寄せる「Ex-Singapore」となるため、雇用費用はNew(シンガポールで働いたことがないヘルパーさんを自国より呼び寄せる)と同等の約2,000ドルかかります。私たちはその費用を支払い、3月に彼女がフィリピンからシンガポールへ戻ってくることを待っていました。しかし、ここからが大変でした。
雇用を決めたヘルパー(メイド)さんはどうなったのでしょうか?
ご存知の通りコロナの影響を受け、海外からシンガポールへの入国が原則禁止されました。もちろん雇用を予定していたヘルパーさんもフィリピンからシンガポールへの入国ができません。エージェンシーから、予定通りの入国が難しいとの連絡を受けました。フルタイムの共働きである私たちの生活にヘルパーさんは欠かせません。当時雇用していたヘルパーさんの本帰国も差し迫っていたので、彼女の雇用申請をキャンセルして、Transfer(シンガポール国内でのヘルパーさんの転職)でヘルパーさんを雇用することに方針転換しました。
ちなみにエージェンシーからは、すでにフィリピン側に手数料を支払っているため、およそ1/3ほどしか返金ができないと言われました。同じエージェンシーでTransferのヘルパーさん候補者を面接しましたが、我が家に合うと思う人には出会えませんでした。仕方なく手数料を諦め、他のエージェンシーも含めてTransferのヘルパーに対象を絞り、改めて探し始めました。この時点で3月末ごろでした。
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