トイレで出産し、新生児をゴミ箱に捨てた罪でヘルパー（メイド）に実刑判決　　Maid who gave birth in toilet jailed for abandoning baby in recycling bin

トイレで出産し、新生児をゴミ箱に捨てた罪でヘルパー（メイド）に実刑判決

雇用主宅のトイレで出産し、生まれたばかりの息子をゴミ箱に捨てたヘルパー（メイド）は、29歳のインドネシア人女性で、その前に薬物による中絶に失敗していたという。

被告人の弁護人Anand Nalachandran氏が、彼女が置かれていた悲惨な状況を訴え上訴したが、親による12歳未満の子どもの育児放棄に対して有罪判決が下り、11月5日に5ヶ月の実刑判決を受けた。

箝口令が敷かれているため被告人の本名を明かすことができないが、彼女はビデオリンク経由での公判中に感情的な表情を見せており、バングラデシュ人男性と交際していたが、今年になって別れたと話した。被告人は妊娠が判った後、仕事を失い母国に送還されることを懸念し、不安を抱えていた。 Nalachandran氏は、地区裁判官のShaiffudin Saruwan氏に対し、「被告人は、もう一人のヘルパー（メイド）には悩みを打ち明けていたものの、この試練の間ずっと独りだった」と話した。

被告人は、出産する約2ヶ月前に妊娠を知り、流産を試みようとをピルを飲んだが、効果はなかった。2020年7月27日午後1時頃、被告人は雇用主宅で陣痛を感じ、トイレで体重2.8kgの男児を出産、へその緒を切った。息子を清潔にし、白いタオルで包んだ。その後、息子に水を飲ませ、白い紙袋に入れた。また、息子が大声で泣いていたため、彼女は彼の口を覆ったが、傷付けはしなかった。

雇用主が帰宅したのは午後2時頃で、その数時間後、被告人は雇用主に知られるのを恐れ、息子を連れて家を出た。彼女は15分ほど歩いて、Tai Keng Gardensにある新聞紙の入ったゴミ箱に息子を入れることにした。通りすがりの人が赤ちゃんを見つけることを期待して、無作為にその場所を選んだと説明した。また、ゴミ箱の蓋を閉じる際に、息子に空気が届くよう蓋を支えるために石を置いたという。

同日午後7時45分頃、タバコを吸おうと家を出た男性がゴミ箱近くでかすかな音を聞いた。彼の他の家族も集まって確認したところ、ゴミ箱の中のクシャクシャになった白い紙袋の中に男児がいるのを発見した。タオルが顔を覆っていた。同男性は警察に通報、男児はKK Women’s and Children’s Hospitalに搬送され、今年8月19日現在、安定した状態だったという。被告人は、翌々日の7月29日に逮捕された。

検察側は、自分自信で身を守ることができない乳幼児は、母親の保護が必要な「極めて脆弱で、完全に依存している」存在だと指摘し、被告人に懲役6～8カ月を求刑した。

Nalachandran氏によると、被告人は妊娠が判明してから「極めて想像を絶するような」状況に置かれていたという。被告人はワークパーミットが取り消され、シンガポールでの仕事を失い、2度とシンガポールに戻れないことを苦慮していた。ところがピルを摂取した後、「自分の過ちを誤魔化したくない」という思いから、中絶をしないことにした。

Nalachandran氏は法廷で「被告人が直面した苦境を考慮することを強く希望します…彼女は感情に押し潰されていたんです。それはどんな母親にとっても計り知れない選択であり、彼女は明らかに絶望を超えていた」と述べ、被告人の行動は「非典型的で異常」な行為であると付け加えた。弁護士は、被告人が逮捕され再拘留されていたため、時間内に精神医学的な検査を行うことができなかったことについても言及した。

これに対し、Tin Shu Min副検察官は女性の混乱を認めつつも、被告人は「森の中に迷い込んだ赤ん坊ではない」ことを指摘、29歳の母親には2か月間もの間、どうするかを考える時間があったと述べた。

Nalachandran氏は、「被告人が独りで出産していたその日にどんな気持ちだったかについて、完全に理解することは誰にもできないと思う。それは異常な状況だから」と返答した。

地方判事のShaiffudin氏は、産後の行動が「一般的な行動」ではないため、簡単に裁くことができないことに同意した。

被告人は最大で7年までの懲役に加え、罰金、またはその両方が課せられる可能性がある。

 【これは元記事を抄訳したものです】
https://sg.news.yahoo.com/maid-gave-birth-toilet-jailed-abandoning-baby-bin-100312983.html