
ヘルパー(メイド)のJannah Pascuaさん、社会還元のための資金調達を目指してランニングやサイクリングを実施 Determined to give back to society, foreign domestic helper Jannah Pascua runs and cycles to raise funds
Jannah Pascuaさんはフィリピンの貧しい家庭で育ち、9年前からチャリティー活動を行っています。
Jannah Pascuaさんは、フィリピンのIlocos Sur州の貧しい家庭で育ったことをよく覚えています。わずかなお金と食料しかなく、12歳の時に学校に通いながら家族や親戚のために働き始め、家族を養ってきたのです。
彼女は2005年からシンガポールでヘルパー(メイド)として働いており、同じような状況にある人がいることを知っているからこそ、恵まれない人たちに還元をすることが大切なのだと考えていました。
2011年からはさまざまな慈善団体、Aidha*やHome (Humanitarian Organisation for Migration Economics)を通じてマラソンやサイクリングなどのチャリティイベントに参加することで資金を集めています。
18歳から21歳までの3人の子どもがいるPascuaさんは、2年前に子供たちに会ったのが最後で、「私は貧しい家庭で育ったため、食べるものがなく、お金がないという生活がどんなものかよくわかっています。だからこそコミュニティに還元したいと思っています」と語っています。
以前はAidhaで学んでいたという46歳の彼女は、今ではNGOのボランティアとして主にヘルパー(メイド)を対象に月に2回に渡りお金の管理方法や起業の仕方を教えています。
Pascuaさんは、実家の農場の財務管理を手伝っており、一方で夫は毎日の運営を担当しています。
Pascuaさんは、これまでにフルマラソン7回、ハーフマラソン4回、OCBCサイクリングイベント4回を完走し、さらにドラゴンボートチームにも所属していますが、初めて参加した2011年のStandard Chartered Singaporeのマラソン大会でAidhaのための資金集めをするまでは、積極的な活動をしてませんでした。適切なトレーニングをしなかった彼女は完走するのに苦労し、8時間の締め切り時間の1分前に完走したこともありました。
「本当につらかったです。折り返し地点で体中に痛みを感じはじめ、完走できないと感じました。まともに走ることができなかったので、歩くしかなく、ゴールまで自分の足を引きずってなんとか完走したんです」
「マラソンを終えたあと、これが最初で最後のマラソンだと言っていました」
しかし、4年後の2015年、彼女はマラソンにもう一度挑戦することを決意しました。
最初は100m走ですら厳しい状況でしたが、毎晩のように距離を伸ばし、最終的には2回目のマラソンを約6時間で完走したのです。その後、2017年にOCBC Cycleをきっかけにサイクリングを始め、イーストコーストパークで自転車を借りて42kmのレースに参加、それ以来、彼女はOCBC Cycleのすべての大会に参加しています。
これらのイベントに参加する主な目的は資金調達ですが、Pascuaさんは自分のタイムを上げたり、距離を伸ばすために自分を追い込んでいるそうです。
今年のOCBC Cycleがバーチャルイベントに変更されたことを機に、Pascuaさんはに過去に参加した3回の42kmの3倍近い121kmをみごと完走し、自己最長記録を達成しました。
また彼女は135人以上の人が集い、教育のために3万ドルを集めることを目的とした「Ride for Aidha 2020」に参加しています。
「自分の限界に挑戦したい、その気持ちは資金集めをより価値のあるものにしたいという思いからきています」
詳しくはこちらのウェブサイトをご覧ください。
* Aidhaはシンガポールで登録された慈善団体で、金融教育を通じてFDW**や低所得の女性の生活を豊かにすることを目的として活動しています。https://www.aidha.org/
** FDW:Foreign Domestic Worker の略 ヘルパー、メイド
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