
ヘルパー(メイド)に自分の口をミートハンマーで50回殴ることを強要した雇用主女性に懲役刑 Jail for woman who forced maid to hit her own mouth 50 times with meat pounder
台所の窓に指紋が付いているのを見て不愉快になった主婦が、雇用しているヘルパー(メイド)にミートハンマーで自らの口を約50回に渡り叩くよう強要した。
3月16日、Mun Sau Yeng被告(41歳)に対し15ヶ月の懲役刑が言い渡された。
法廷では、Mun被告が2019年2月4日、雇用していたインドネシア人のヘルパー(メイド)、Yuni Dwi Lestari氏(現在26歳)に対し、罰として自らに痛みを与えるように命じた。Yuni氏はこれにより下の3本の歯がぐらぐらするようになったと述べている。
Mun被告は、彼女が歯を失うよう木槌のような杵を用い、Yuni氏の歯を1回叩き、その内1本を欠けさせた。
被告人は、地方裁判所において3件の虐待を認めており、判決は他の4件の類似している罪も考慮されたものとなった。
Colin Ng副検事によると、Yuni氏は2018年4月にSengkangにあるMun被告のアパートで働き始めたという。同年11月、Mun被告は、Yuni氏が昼食にイワシの缶詰を食べたことを知って激怒した。法廷でMun被告はそのイワシの缶詰を被害者の夕食に食べさせようとしていたということが明らかになった。
Mun被告は、Yuni氏の両頬を数回殴打し、その後、本人に自分の顔を50回殴るように命じた。Yuni氏は言われた通りにし、その結果、彼女は両頬にあざと腫れを負った。
副検事は、「被告人は、被害者が自分で殴った方が痛みを覚えていると考えていました。また被告人は、自分のしたことが間違っていると認識していたため、被害者に医師の診察を受診させることを拒みました。また彼女の負った傷を夫に見られないようにするため、被害者に一日中頭を下げて過ごすよう指示したのです」と述べた。
ミートハンマーの一件から3日後の2019年2月7日、Mun被告はYuni氏に電話で、もしアパート内でほこりが見つかったら「何が起こるかわかる?」と言った。
その日のうちに帰宅したMun被告は、アパートの一室にほこりがあるのを見つけたため、Mun被告はYuni氏の口を10回ほど殴り、唇から出血させた。
この負傷事件2件ともに被告人は被害者を病院へ連れて行かなかった。
約1週間後の2月15日、Yuni氏は、全国労働組合会議(National Trades Union Congress)が外国人家事労働者を支援するために2016年に設立したCentre for Domestic Employees(以下、CDE)に電話、同日午後1時40分頃にCDEの担当者が警察に通報した。
後日法廷において、Mun被告にはうつ病と強迫性障害の病歴があることが明らかになった。しかし副検事が、これらの症状は被告人の虐待行為とは因果関係がないことが判明したと強調、裁判所に対し少なくとも15ヶ月の懲役刑を求刑した。
* FDW:Foreign Domestic Worker の略 ヘルパー、メイド
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